プーの手で ピッグとダックが 踊らされ
二回目の米朝首脳会談が指呼の間に迫ってきた。
ほとんど中国国内を列車で移動。
前回シンガポールの会談では
中国の航空機を使ったが、
今回も後ろ盾が中国であることを
満天下に知らしめた。
中国の狙いとは?
中国で北朝鮮問題を担当していた
高官の話を思い出す。
◆
彼曰く、
「中国人はお節介なので、
外国の視察団が来るとなると
中国国内のここに行った方が良い、
あそこに行った方が良いと薦める。
しかし、北の外交団に関しては
どこでもどうぞ、と言う。
彼らは、ここに行った方がいいと薦めても、
絶対にそこには行かない。
へそ曲がりというか、誇り高い人々なのだ。
中国が金正日氏に希望したのは、
中国国内の好きなところを視察してもらい、
北朝鮮が経済的に発展する道を
見つけることだった。
しかし、金正日氏は存命中、一貫して
北の経済開放を拒否し続けた。
北朝鮮が生き残る道は改革開放しかない。
私たち中国が北からの視察団を
多く受け入れることで、
彼らに少しずつでもメディアの重要性を
わかってもらえると良い。
そうしているうちに世界の秩序を
北もわかってくるはずだ。
私は世界各国の外交官と付き合ったが、
世界で最も付き合いにくいのは、
南北を問わず朝鮮の人だ。」と。
◆
中国の言うことを聞かない金正恩氏の父・正日氏に
中国は我慢してきた。
金正日時代に比べて、正恩氏はどうだろう?
去年は中国の飛行機を借りて、
華僑が国のトップを務め政治的には独裁国家の
シンガポールを訪れた。
今度は、60時間ほとんど中国国内を
列車で移動し、
ドイモイ(刷新)政策を進めて経済発展した
ベトナムを訪れている。
ドイモイは、鄧小平の改革開放政策を
見習ったものだ。
冒頭の中国高官の言葉を見れば、
北は、中国の掌の上で踊っているように見える。
このまま中国のシナリオ通りに進むのか、
それともオヤジ譲りの反中精神を
突如発揮するのか・・・
米朝首脳会談の近視眼的な結果より、
中長期的な中朝関係に注目だ。