野にイケンあり〜ジャーナリスト武田一顕が詠む時政

政局や中国について【野の意見】を個人の備忘録として書き連ねる。 よろしくどうぞ。

プーの手で ピッグとダックが 踊らされ

二回目の米朝首脳会談が指呼の間に迫ってきた。

北朝鮮金正恩委員長は5日間かけて、

ほとんど中国国内を列車で移動。

前回シンガポールの会談では

中国の航空機を使ったが、

今回も後ろ盾が中国であることを

満天下に知らしめた。

中国の狙いとは?

中国で北朝鮮問題を担当していた

高官の話を思い出す。

 

 

彼曰く、

「中国人はお節介なので、

外国の視察団が来るとなると

中国国内のここに行った方が良い、

あそこに行った方が良いと薦める。

しかし、北の外交団に関しては

どこでもどうぞ、と言う。

彼らは、ここに行った方がいいと薦めても、

絶対にそこには行かない。

へそ曲がりというか、誇り高い人々なのだ。

中国が金正日氏に希望したのは、

中国国内の好きなところを視察してもらい、

北朝鮮が経済的に発展する道を

見つけることだった。

しかし、金正日氏は存命中、一貫して

北の経済開放を拒否し続けた。

北朝鮮が生き残る道は改革開放しかない。

私たち中国が北からの視察団を

多く受け入れることで、

彼らに少しずつでもメディアの重要性を

わかってもらえると良い。

そうしているうちに世界の秩序を

北もわかってくるはずだ。

私は世界各国の外交官と付き合ったが、

世界で最も付き合いにくいのは、

南北を問わず朝鮮の人だ。」と。


中国の言うことを聞かない金正恩氏の父・正日氏に

中国は我慢してきた。

金正日時代に比べて、正恩氏はどうだろう?

去年は中国の飛行機を借りて、

華僑が国のトップを務め政治的には独裁国家

シンガポールを訪れた。

今度は、60時間ほとんど中国国内を

列車で移動し、

ドイモイ(刷新)政策を進めて経済発展した

ベトナムを訪れている。

ドイモイは、鄧小平の改革開放政策を

見習ったものだ。

冒頭の中国高官の言葉を見れば、

北は、中国の掌の上で踊っているように見える。

このまま中国のシナリオ通りに進むのか、

それともオヤジ譲りの反中精神を

突如発揮するのか・・・

米朝首脳会談の近視眼的な結果より、

中長期的な中朝関係に注目だ。