野にイケンあり〜ジャーナリスト武田一顕が詠む時政

政局や中国について【野の意見】を個人の備忘録として書き連ねる。 よろしくどうぞ。

風吹けば にんき拡大 ダブル選

果たして、衆参ダブル選挙はあるのか?

政治に高い関心を持っている方ならずとも、

気になるところだろう。

 

自民党の甘利選挙対策委員長は先月27日、

テレビ番組に出演し、

衆参同日選について「99%ない」と話した。

また、私の知る自民党関係者は、

いまの自民党は選挙を戦えるような状況ではない、

1回~3回生の惨憺たる様子を見れば

衆議院総選挙なんて考えられない、と言う。

 

一方、国民民主党と合流した小沢一郎は、

総理は解散を打ちたくてウズウズしていると話す。

 

はたして、どちらの観測が正しいのだろう。

 

大状況を見れば、解散総選挙の可能性は高い。

小沢が言うように、

野党はまとまっておらず、

いま解散となれば直近3回の衆院選と同じく

壊滅的な打撃を受ける。

勝てるときに選挙をやるという目論見が

まんまと当たるというわけだ。

 

小泉の郵政選挙以来、この国は

時の総理がいつでも解散総選挙を打てるという、

異形の議会制民主主義国家となってしまった。

安倍は選挙データなどをにらみながら

解散を打つか否か判断することになるが、

キーポイントは

自らの任期をどう見ているか。

このまま総理を続ければ

8月には佐藤栄作政権を超えるが、

政治的実績はまだそれほど大きくない。

まだ総理を続けたいなら、

解散総選挙をできれば早いうちに打ちたい。

 

さらに、解散風が吹いたり止んだりすることは、

安倍自身への注目を集めて

威信を高める格好の材料になっている。

威信が集まれば、権力はそこに集中する。

つまり、人気者。

安倍の総理としての任期がわずかとなり

レームダックにならないためには、

解散という大権が彼自身の手中にあると

見せ続けなければいけない。

 

結局、解散風が吹いても止んでも

時の権力者にとって損はないのだ。