野にイケンあり〜ジャーナリスト武田一顕が詠む時政

政局や中国について【野の意見】を個人の備忘録として書き連ねる。 よろしくどうぞ。

立つ花を 小さな泉に 写すかな

NHKから国民を守る党の立花孝志党首は、

小泉純一郎に似ている。

こう書くと、驚く人や怒る人も少なくないだろう。

しかし、国会を20年に渡ってうろついてきた私は

そう感じずにはいられない。

 

小泉は2001年に「自民党をぶっ壊す!」

と叫んで、総理大臣になった。

立花は「NHKをぶっ壊す!」

と連呼して、参議院議員になった。

民主化運動が燃えさかる香港の

かつてのカンフー映画に例えるなら、

小泉はジャッキー・チェン

立花はサモハンキンポーといったところか。

(ちょっと…かなり古いか)

言いたいことは、同じ穴の狢ということ。

 

 

N国が150万票以上の比例票を集めて

立花が当選した理由は2つあると

私は分析している。

 

一つ目は、当然ながら、NHKに対する不信感。

特に第二次安倍政権誕生後、

安倍ベッタリの女性記者を重用したり、

政権に極めて近い籾井会長を送り込まれたり、

挙句の果てには、

安倍の出身である長州を舞台にした

大河ドラマを制作しようとした。

さすがに露骨だと考えて、

薩摩を主人公にしてコケた大河が「西郷どん」。

今年は東京オリンピックを題材にしたが、

これだって、政府と一緒になって

来年の東京オリンピックを盛り上げようという

幇間根性丸出しだ。

(なお、こちらは大河史上、

最低視聴率を叩き出したそうな。)

これでは不信感を募らせる国民がかなりの数いても

全く不思議はない。

 

二つ目は、極端なワンイシューポリティクス。

N国は選挙区と比例区合わせて

41名の候補者を立てたが、

NHKスクランブル放送化だけを訴えた。

NHK受信料支払い拒否」

分かりやすい、単純かつ一つ限りの主張だ。

対する小泉は、2005年に

郵政民営化だけを争点にして大勝した。

不満を煽る極端な主張は、大衆に受けやすい。

それは歴史が証明するところでもある。

立花は、N国の幹事長に上杉隆を任命した。

共に元NHKで内情を知っているからこそであり、

あくまでワンイシューで暴れようとしている姿が

そこからも見て取れる。

 

なお、れいわ新撰組山本太郎代表が訴える

弱者への目線も、分かりやすく

単純な主張に見えるだろうが、

その政策論は多彩だ。

ワンイシューポリティクスとは言えない。

 

そういえば、立花と小泉の共通点がもう一つある。

(続く)