野にイケンあり〜ジャーナリスト武田一顕が詠む時政

政局や中国について【野の意見】を個人の備忘録として書き連ねる。 よろしくどうぞ。

枝のミカン ならずに腐る ものもある

新年、明けましておめでとうございます。

本年もマイペースに更新をして参ります。

 

冬といえば、ミカン。

ミカンは、長い時間が経つと

まずまわりにカビが生えてくる。

薄皮の中の種は最後まで守られるが、

その頃には、周囲は全部腐っている。

 

安倍政権は2012年に第二次内閣を

組閣してから約7年、

2006年に発足した第一次安倍政権を含めると

8年以上続いている。

第二次政権が誕生してから日本の政治は安定し、

一部の人々は好景気を謳歌している。

一方で、桜を見る会にはマルチ紛い商法の会長が

総理枠で招待されていたことが

ほぼ確定的となっているのに、

名簿は廃棄されていると役人は答え続けている。

森友問題で公文書が改ざんされていたのと同じ

根深い問題だ。

 

経産大臣に就任した菅原一秀衆議院議員

秘書が有権者に香典を配ったことで、

また法務大臣に就任した河井克行衆議院議員

妻が選挙スタッフに公職選挙法

上限額以上の金を渡していたと疑われ、

就任から3週間と経たないうちに

相次いで辞任に追い込まれた。

二人とも、辞任後も一連の経緯について

説明すると言っていたが、その後

臨時国会に出てきて説明することはなかった。

 

外交では、元々従属関係にある日米は順調だし、

日中関係も改善した。

ただ、プーチンにしてやられ、北方領土交渉で

四島が返還される可能性ほぼゼロ。

北朝鮮拉致問題も解決のメドが立っていない。

米朝関係もキナ臭くなってきていて、

トランプ頼みの安倍は

デッドロックに入ってしまった感がある。

箱の中のミカンは最初の一個が腐ると

周りが全部腐るというが、

私たちは安倍政権と一緒に

この日本国を腐らせるわけにはいかない。

 

そこで政権交代となるのが普通の先進国だが、

日本では一体誰が交代するのか。

立憲民主党と国民民主党の合流話しは

12月中旬ごろまでは盛り上がっていて、

年内にまとまるのかと期待されたが、

結局、年明けに先送りされた。

政党助成金目当てと見られることはなくなったが、

やっぱり先立つものは金だ。

来年も助成金をもらえないとなると、

いざ解散総選挙となった時、

潤沢な資金を持つ自民党

後れをとることは確実である。

 

私は当初、国民民主側が選挙目当てで

なんとしても立憲と組みたいという

一種の片想いだと信じていた。

しかし、どうやら違うらしい。

国民民主党のベテラン議員に聞いたところ、

何でも反対の社会党みたいな体質の立憲とは

組めない、とのことだ。

確かに、立憲の枝野代表を見ていると、

衆院選過半数議席を取って政権を奪取し

自らの政策を実現するという意欲があるようには

とても見えない。

正しいと信じることだけ言って民意が集まるなら、

政治学者や哲学者でも政権を取れる。

小異を残して大同を求め、清濁併せ呑まなければ

天下なんか取れっこない。

しかし、それが枝野にはわかっていない。

 

安倍への不満は噴火寸前まで来ている。

こうした意味で、2020年の政界の準主役は

本来、石破茂でも河野太郎でも、

だいぶ脱落しちゃった小泉進次郎でもなく、

枝野のはずだ。

 

2020年。

早い時期に野党を糾合して、
枝野三日会わざれば刮目となるかどうか・・・

もしそれができないなら、

どうかこの国のために第一党の党首を、

政治家を辞めて頂きたいと切に願う。

 

家にこたつはないけれど、

ミカンを食べながら日本の民主主義を憂える

新年なのであった。