野にイケンあり〜ジャーナリスト武田一顕が詠む時政

政局や中国について【野の意見】を個人の備忘録として書き連ねる。 よろしくどうぞ。

参院選を読む③〜野党に投票したいなら

野党のあまりのバラバラ感に、目まいがした。


参院選はいよいよ明日、結果が出る。

あす投票に行く人も、

すでに投票を済ませた人もいることだろう。

私も期日前投票を済ませたが、

投票所で立候補者の名簿を見て、

絶望的な思いすらした。



参院選は「非拘束名簿式」で投票が行われる。

流れは以下のようになる。


有権者は、投票に行くか行かないかを決める。

②投票用紙に投票先を書くか書かないか決める。

 

では、投票にも行くし、

白票ではなく投票先を書くことを決めたとする。

その後はまず、


③選挙区で出馬している候補者の個人名を書く


投票所の前に貼られているポスターの人たちが

この選挙区で出馬している候補者にあたる。

(ただし、選挙区で立候補していても

ポスターを貼っていない人もいるので要注意)


では、ここから比例区の投票。

前述した通り、非拘束名簿式の投票となる。

その手順は2つのうち、どちらか。


④政党名を書いて投票する。

または、

⑤各党の名簿から個人名を書いて投票する。


政党名を書くより、個人名を書いた方が

よりピンポイントで自分の考えに近い候補を

選ぶことができるのが利点だ。

しかし、これと言った比例区の候補者を

思い描かずに投票所に行った場合…

ずらりと並ぶ「名前だけの名簿」を前に、

途方にくれるに違いない。

そこには候補者の政策も理念も書かれていない。

なんかもういいや、

取り敢えず政党名を書いておけばいいやと

なるに違いない。

そうなると、例え支持する政党でも、

後に振り返った場合、思いがけない候補者を

当選させてしまっていることも考えられる。


一方、自民や公明は

候補者別に票を分けることが一定程度、可能だ。

なぜなら、強固な組織票があるからだ。

投票用紙に名前を書くのに2ステップしかない。

すなわち、自分が当選して欲しい候補者と、

組織から指示された候補者を書くだけなので、

シンプルである。

これにより、党の意向に沿った顔ぶれを

当選させることも、より容易くなる。


選挙区の一人区では野党共闘ができたと

立憲民主の枝野代表は自慢していたが、

投票所から出てきたとき、

複数区ではバラバラ、比例区もバラバラという

目も当てられない状況にあなたは気付くだろう。

一致団結して安倍政権を倒すという掛け声は

まるでウソで、

各党のエゴ丸出しという感が露呈している。

それが、今回の参院選だ。



『キングダム』という漫画が

実写映画にもなるほどの人気だ。

秦の始皇帝は、

他の六国を滅ぼして中華を統一した。

後に唐の詩人・杜牧はこう詠んだ。


  嗚呼!滅六國者六國也,非秦也!

  〜六国を滅ぼしたのは、六国自身であって

      秦ではない!

 

議会制民主主義の主役である野党を滅ぼすのは、

政権与党ではない。野党自身だと断言する。

安倍政権を支持しない人こそ、

この複雑な状況を読み解くことが

民主主義を守るために必要と肝に銘じ、

あすの投票に行って欲しい。

政権の風向きを変えるのでさえ、

思っている以上に難しいことなのだ。